脳梗塞の細胞治療薬の開発 脳梗塞の細胞治療薬の開発

脳梗塞の細胞治療薬の開発

Social Issues
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Issue

課題

発症者の半数以上に
後遺症が残る「脳梗塞」

脳卒中は日本で約30万人、米国70万人が毎年新たに発症すると推計されています。

脳卒中全体の約74%を占める「脳梗塞」は、脳の血管が詰まり脳細胞に血液が行き届かなくなることで脳に障害が生じる疾患であり、発症者の約5%が死亡、半数以上に障害が残ってしまいます。

 

現在主流な脳梗塞治療法は、閉塞血管を薬剤もしくは機械的に再開通する治療ですが、梗塞により既に機能が低下してしまった部位への治療法はまだありません。

Approach

解決方法

「間葉系幹細胞」を用いた脳梗塞治療薬の開発

細胞を使って組織や機能の再生をはかる「再生医療」は、これまで治せなかった疾患に対する治療方法として高い期待が寄せられています。

 

iPS細胞発見の2年前である2004年、イーソリューションズは、間葉系幹細胞(※)を用いた脳梗塞治療薬研究に触れたことから、複数社と共同でNCメディカルリサーチ株式会社を設立し、脳梗塞などで低下した神経機能を改善させる治療薬の開発を開始しました。

 

当初、患者の細胞を体外で増殖させて患者自身に戻す「自家細胞」による治療法の確立を目指していましたが、「自家細胞」治療は工業性が低いことから、健康なドナーから大量の治療薬を作る「他家細胞」治療として開発すべく、2008年に拠点を日本から米国に移し、現在開発中の薬剤である「NCS-01」の確立に至りました。「NCS-01」は現在、急性期脳梗塞の患者を対象とした臨床試験を米国で行っています。

 

骨芽細胞、軟骨細胞、筋細胞、脂肪細胞、リンパ系、循環器系(心臓・血管)など様々な細胞への分化能をもつ体性幹細胞。骨や血管、心筋、神経系(脳、網膜など)などの再生医療への応用が期待されている。

Social Impact

社会の変化